名古屋の地下鉄開業50周年あたる年に5000形車両更新のため、N1000形車両を導入することとなりました。このN1000形車両は、名古屋市の重要課題である「安心・安全で快適なまちづくり」の推進を図るため「地球環境に優しい」「人に優しい」を基本方針とし、新火災対策への対応や運転状況記録装置の設置など新たな安全対策、省エネのさらなる推進、乗り心地の向上、車両床面とホームとの段差の縮小や車いすスペースの増設などバリアフリー化の推進を図った車両としました。また、イニシャルコストの縮減とランニングコストの縮減を図りローコスト車両を目指し、エコロジーとエコノミーの両立を図りました。
平成27年度より、東山線可動式ホーム柵に対応するため、可動式ホーム柵車上制御装置を設置しています。
ステンレスの無塗装に東山線ラインカラーである黄色の帯を窓下だけでなく、上にも入れアクセントを付けています。先頭車前面は、シンプルな平面の構成ながら斬新さを求めたデザインとしています。
室内は、天井及び壁面とも明るいグレー系統の柄入り化粧板を使用し、床敷物は茶系石目調、腰掛けのモケットはエンジ系柄入りとして車内全体は地下鉄車両という条件を考慮して全体に明るく温かみのある配色としました。腰掛を片持ち式とし天井は冷房装置部分の段差をなくし小型の地下鉄でも解放感のある室内としました。車内案内表示器は、側出入り口上部に千鳥に3台取り付け、ドア開予告表示器及びドア開閉予告チャイムは全ての側出入り口上部に設置しました。
乗務員室は、プラグ式外開き戸の貫通扉を中心よりずらして設置することにより運転台のスペースを確保しています。主幹制御器は、無接点式の横型デスクタイプの右手ワンハンドルとし、運転台正面にはタッチパネル式液晶表示器を設置しています。
制御装置は、回生ブレーキ付のVVVFインバータ制御で、4台の電動機2群を1台の制御装置で制御する2レベル方式電圧形PWMインバータです。主回路素子には高耐圧IGBTを用い、冷却には純水を用いることにより環境に配慮しています。制御方式は、PGセンサレスのベクトル制御でほぼ停止まで回生ブレーキが働くようにしています。
また、車両情報装置を搭載しており、各種機器の情報制御を常時監視することにより車両の状態監視、各種点検、検査を行い、乗務員の業務軽減、異常発生時の乗務員への的確な情報提供、列車検査業務の軽減を図っています。
形式 | N1100形 | N1200形 | N1300形 | N1400形 | N1500形 | N1600形 |
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車種 | 制御車 | 電動車 | 電動車 | 電動車 | 電動車 | 制御車 |
質量(t) | 21.5 | 25.0 | 23.8 | 23.8 | 25.0 | 21.5 |
定員(人) | 97 | 106 | 106 | 106 | 106 | 97 |
座席数 | 31 | 37 | 37 | 37 | 37 | 31 |
軌間 | 1,435mm | |||||
電気方式 | 直流600Vサードレール方式 | |||||
車体構造 | オールステンレス鋼製 | |||||
最大寸法 (長×幅×高) |
15,580×2,548×3,440mm | |||||
床面高 | 軌条面上 900mm | |||||
ボギー 中心間距離 |
10,000mm | |||||
台車 | ボルスタレス空気バネ台車 | |||||
車輪 | 一体圧延防音車輪(片側ゴムサンドイッチ方式) | |||||
基礎ブレーキ | 空気圧式ディスクブレーキ | |||||
主電動機 | 三相かご形誘導電動機 75kW×4(台/両)(N1200,N1300,N1400,N1500形) | |||||
制御装置 | 電力回生ブレーキ付VVVFインバータ制御 PGセンサレスベクトル制御(N1200,N1400形) |
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ブレーキ装置 | 遅れ込め制御付きATC連動電気指令式電空併用ブレーキ 応荷重付、保安ブレーキ付、滑走検知機能付(N1100形、N1600形) |
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補助電源装置 | 静止形三相インバータ 90kVA (N1100,N1600形) | |||||
冷房装置 | 天井集約分散式 14.6kW (12,500kcal/h)×2 | |||||
車両情報装置 | 汎用直列インターフェイスを用いた制御指令及びモニター伝送方式 運転状況記録機能付、車上試験機能付 |
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列車無線装置 | 誘導無線式(発報信号、デッドマン通報機能付)(N1600形) | |||||
信号保安装置 | 車内信号式ATC (N1100,N1600形) | |||||
自動列車運転装置 | 車上パターン式比例制御(N1100形) |